2018年11月27日
ピグマリオンとガラテア

ギリシャ神話、ヴィーナスのエピソードをひとつ。
彫刻家のピグマリオンはあまりに純粋で、生身の女性の嫌なところばかりを見てきたため、
女嫌いになってしまいました。しかし、若さの情熱と欲求から、大理石で美しい乙女の像、
ガラテアを彫ってしまいました。その像は、今にも動き出すのではないかと思われるほどの
でき栄えで、いつしかピグマリオンはこの像を愛するようになり、妻と呼ぶようになりました。
ピグマリオンはある日祭壇の前に立ってささやきました。「神さま、お願いです。私にお授けください、
あの像に似た乙女を」それを聞いていたヴィーナスは祭壇の炎を三度空高く燃え上がらせました。
ピグマリオンは家に帰ると、乙女の像に接吻しました。その唇は大理石の冷たさと違い、
ほんのり温かく柔らかい感触がしました。今度は乙女の胸に手をおいてみました。
その感触は柔らかく、あらめて顔をのぞくと、恥じらいで顔を赤くした人間の乙女がいました。
彼は、アフロディーテに感謝しました。このエピソードを絵にしたジャン=レオン・ジェローム
のこの絵、ガラテアのしなやかで美しい肉体が本当によく描けてます。素晴らしいですね。
メトロポリタン美術館で観れるそうです。