2014年12月23日
ロイヤルアカデミー展

静岡市美術館で開催中のロイヤルアカデミー展のわたし独自の見どころを紹介します。
1768年に国王ジョージ3世の庇護のもと、創設された芸術機関で多くの芸術家を輩出しました。
個人的に好きな作品をいくつか載せました。上の絵はフランク・カダガン・クーパーの
『虚栄』 という作品で、薄目を開けて手に持った鏡に映ったうつくしい自分の姿に見とれている
女性を描いています。これはテーマも面白いし、本当にうつくしい作品です。
次に紹介するウォーターハウスは、1870年ごろから活動を始めたイギリス・ヴィクトリア朝時代の
画家のなかでもトップクラスの人気を誇るそうです。この『人魚』の絵もなまめかしく印象的です。

下の絵は今回は来ていませんが、ウォーターハウスの大好きな絵で、
調べたら哀しいお話を描いたものでした。こんなストーリーです。
アーサー王の王宮があったキャメロット近くの島、シャロット島に一人住む女性。
呪いをかけられた彼女は、直接外を見ることを許されず、鏡に映った窓外の風景を
見ることしかできません。ゆえに外に出ることもできず、魔法の織布を折り続ける日々を
過ごします。そんなある日、鏡に映ったのはハンサムな騎士ランスロット。
その外見と歌声の美しさに惹かれたシャロットの姫は、ついに外の世界を直接覗いてしまいます。
そして呪いが・・・。織糸は体に絡み付き、鏡にはひびが入り、それでもランスロットを追って
舟に乗ったシャロットの姫。しかし呪いは、彼女に死ぬまで歌い続けることを強要します。
ウォーターハウスが描いたのは、舟に乗り、歌い疲れたシャロットの姫の姿でした。
みずからの運命に絶望し、泣きはらした赤い目。哀しくもうつくしい絵です。

最後に紹介するジョン・エヴァレット・ミレイは19世紀イギリスで活躍した画家で
『オフィーリア』 は代表作(というか傑作)です。『オフィーリア』 はシェークスピアの
「ハムレット」に登場する人物で、恋人ハムレットに父を過って殺害され、精神を病んで
小川に落ちて死にゆくという悲劇の場面です。今回の展覧会のポスターの絵がミレイの絵です。
この下の絵、『オフィーリア』は今回は来ていませんが、わたしの大好きな絵です。

こうして見ると、わたしはドラマチックなものが好きなんですね(^_^)
他にも牧歌的な風景画などもあります。展覧会についての情報はこちらの美術館のHPで。
http://www.shizubi.jp/
今回下の2点は来ていませんのでお間違いなく!