2012年04月22日
今は無き幻の映画館 BOX東中野

昔から映画が大好きで、20代の頃は情報雑誌『ぴあ』で面白そうな映画をチェックしては、よく東京
まで通いました。お気に入りの映画館は、シネマライズ渋谷、WAVE六本木、BOX東中野、などなど。
BOX東中野は2003年4月に閉館してしまいましたが、ヨーロッパのアート系の映画の他、カルト映画
やドキュメンタリー作品などを上映していました。20代の頃購入した芸術新潮という雑誌にアウトサイ
ダーアートが特集されていて、海外のある精神病院の患者達の中で特に芸術的才能のある人達の
作品を紹介していました。それはどれも感動的で、健常者では到底描けない世界がそこにありました。
彼らはそれぞれ精神的な病を抱えていて、中には戦時中に捕虜となって拷問を受けて発病した
もと神父さんもいました。彼の絵は本当に繊細で美しくて、彼の心の底を垣間見るようでした。
そんな彼らのドキュメンタリー映画がBOX東中野で上映されると知って、東京まで観に行きました。
海外にあるその施設では、芸術的才能を持った彼らが思う存分制作できるよう取り計らわれており
職員さん達は優しく丁寧で、彼らのオブラートにくるまれた様な穏やかな日常生活は、見ていて
とても心地よいものでした。時々世界各地で開催される展覧会の模様なども映し出されていました。
あの神父さんもいて、兄弟達が時々彼を尋ねてきては好物の食べ物を差し入れしたりするのですが、
兄弟達が帰るとき、年老いた神父さんは寂しくて泣くのです。私も悲しくて一緒に泣けてしまいました。
彼らの閉ざされた心の中で羽ばたく空想の世界は限りなく自由です。
下のが彼らアウトサイダー達の作品です。





