2013年03月10日
乳白色の時間

美術館の受付で仕事をしていてお客様が落ち着いてエントランスホールが静かになった午後5時過ぎ
乳白色の時間が訪れます。人がまばらな白いホールに、傾きかけた日差しが薄いカーテン越しに
柔らかく差し込んで、ほんのりオレンジがかった乳白色に染めていきます。カーテン越しに見える
空やビルの壁もすべてが淡く色づいて、ゆったりした優しい気分に浸れるこの時間が好きです。
しばらくすると向かいのビルのひとつの窓に、沈んでゆく金色の夕陽が反射して、金色の帯をこちらの
ホールの床にまで投げかけます。その帯はほんの少しづつ移動してほとんど誰にも気付かれないまま
消えてゆきます。このひとときの時間は静かな音楽を聴いているような気持ちになります。
今日の音楽はバッハの 『 主よ人の望みの喜びよ 』 です。